レコーディング機能とは
レコーディングは UiPath Studio の重要な要素の1つであり、ビジネスプロセスを自動化する際に時間の大幅な節約に役立てることができます。この機能を使用すれば、ユーザーの画面上の操作を簡単に捕捉してシーケンスに変換することができます。
UiPathドキュメントより
レコーディング機能とは、簡単に説明をすると文字を入力したり、Enterを押下したり、OKボタンをクリックしたりなど自分が操作した一連の処理を全て記録して、自動的にUiPathが記録した処理を作成してくれる機能です。
以下の流れで業務の自動化を進めることができるため、とても便利な機能です。

④では、文字入力などで記録時に入力した文字しか入力ができないため、入力する文字を変数に変更したりします。
⑤では、条件分岐を追加したり、繰り返し処理を追加したりして、実際の業務と同じ流れになるように設定します。
レコーディング機能の種類について
UiPathでレコーディング機能は、ベーシック(Basic)、デスクトップ(Desktop)、ウェブ(Web)、画像(Image)、ネイティブ Citrix(Native Ctrix)の全部で5種類あります。下記でそれぞれについて簡単な説明をしています。
ベーシック(Basic)とデスクトップ(Desktop)
ベーシックとデスクトップは、ほとんど同じ機能で、ほぼ全てのアプリケーション上の操作を記録することが出来ます。
この2つで違うところは、レコーディング時に記録されるセレクター(どのウィンドウか、クリックした場所はどこかなどの位置情報)が違います。
1つのアプリケーション(ウィンドウ)を操作する場合は、ベーシックを選択する方がプロパティの編集が簡単にできます。
複数のアプリケーション(ウィンドウ)を操作する場合は、デスクトップを選択する方がプロパティの編集が簡単にできます。
レコーディング対象が1つか複数かによって、ベーシックとデスクトップは使い分けましょう。
ウェブ(Web)
ウェブも上記のベーシック、デスクトップと機能はほとんど同じです。
WebブラウザとWebアプリケーション専用のレコーディング機能です。セレクターがHTML形式でタグを認識してくれます。
画像(Image)
画像は上記の3つとは少し機能が異なりますが、ほとんど似た機能です。
仮想マシン上(VMWare、VirtualBoxなど)の操作とVNC(リモートデスクトップ)上の操作の専用のレコーディング機能です。
ネイティブ Citrix(Native Ctrix)
ネイティブ CitrixはCitrix環境専用のレコーディング機能です。
こちらの製品を使用している方向けのものです。(使ったことがないため、自信ないです。間違っていたらコメントで教えていただければ幸いです。)
レコーディングの基本操作
レコーディングを開始するには、上部のメニューからレコーディングをクリックし、種類を選択します。また、ショートカットキーで開始することもできます。ショートカットキーについては以下を参照してください。
- ベーシック Ctrl + Alt + B
- デスクトップ Ctrl+ Alt + D
- ウェブ Ctrl + Alt + W
- 画像Ctrl + Alt + I
- ネイティブ Citrix Ctrl + Alt + C
基本的には、Ctrl + Alt + レコーディングの種類の頭文字です。(Basic,Desktop…)

メモ帳を使って、実際にレコーディングを行って操作を記録してみましょう。
テキストファイルを任意の名前で作成し、開いた状態にしてください。
ベーシックの基本操作
まず、上部メニューからレコーディングのベーシックを選択するか、Ctrl + Alt + Bでベーシックのレコーディングを開始します。以下の画像のようなメニューが表示されると思いますので、「レコーディング」を選択します。

開いているメモ帳にマウスカーソルを合わせると、以下の画像のように枠内が青色で表示されます。


こちらは、レコーディング時に認識している操作対象の要素(オブジェクト)を表示しています。
レコーディングでは基本的に、この要素を始めにクリックして操作対象を選択し、実際に行いたい操作を設定します。
今回はテキスト入力欄に任意の文字列を入力し、上書き保存をするという一連の処理をレコーディングしてみましょう。
まずは、メモ帳のテキスト入力欄をクリックすると、文字列入力の画面が表示されるので、任意の文字列を入力して、Enterを押します。

次にファイルタブをクリックします。「アンカーを使いますか」というポップアップが表示されますが、「いいえ」をクリックしてください。
※アンカーについては、また別途ご説明します。

最後に、上書き保存をクリックしてください。クリックをしたら、Escキーを押してレコーディングを終了します。

レコーディングメニューから「保存&終了」を選択することで、記録した操作を保存することが出来ます。

「保存&終了」をクリックすると、以下の画像のように選択したレコーディングの種類名でシーケンスが作成され、その中に記録した操作のアクティビティが生成されます。

それでは、確認のため実行してみましょう。

既に入力されている文字列の後ろに追記する形で入力されていると思います。
これは、先ほどの文字入力画面で、「フィールド内を削除する」の項目にチェックを入れていなかったため、そのまま後ろに入力がされています。文字入力画面では、他にも設定できることがあるので、以下にまとめています。
文字入力画面の説明

- ①特殊キーの設定が可能です。(Shift、Alt、Ctrl、Enterなど)
- ②こちらにチェックを付けると、入力した文字列にマスクがかかります。
- ③こちらにチェックを付けると、既に入力されている内容を全て削除してから新たに入力します。
上記の①、③については、レコーディング後でも設定を変更することが可能です。
設定を変更する場合は、「文字を入力」アクティビティを選択し、右側のプロパティ欄で変更します。
試しに入力している内容を削除してから入力するように変更してみましょう。

文字を入力を選択後に、赤枠にチェックを入れてください。
その後もう一度実行してみてください。

入力されている内容が一度全て削除されてから入力されることが確認できます。
次はレコーディングの種類をデスクトップに変えて操作を記録してみましょう。
デスクトップの基本操作
ベーシックとデスクトップは操作が基本的には同じなので、先ほどと同じようにテキスト入力欄に任意の文字列を入力し、上書き保存をするという一連の処理をレコーディングしてみましょう。
上部メニューからレコーディングのデスクトップを選択するか、Ctrl + Alt + Dでデスクトップのレコーディングを開始してください。

「保存&終了」をクリックすると、以下の画像のように選択したレコーディングの種類名でシーケンスが作成されます。

ベーシックとは違い、「ウィンドウにアタッチ」というコンテナ内に記録した操作のアクティビティが格納されます。
最初の「ウィンドウにアタッチ」は、メモ帳のウィンドウです。
次の「ウィンドウにアタッチ」は、ファイルタブをクリックした際に表示されるメニューのウィンドウです。
ロボットは同じアプリケーションでも、違うウィンドウとして判定をします。
ベーシックとデスクトップで違うところは、このようにウィンドウにアタッチがたくさん生成されるところです。
共通の注意事項
レコーディング時には記録が可能な操作と不可能な操作があります。
以下にまとめました。
- マウスの左クリック(ボタンやチェックボックス、フォームなど)
- 文字の入力
- ショートカットキー
- 修飾キー(Ctrl、Alt、Shiftなど)
- 右クリック
- マウスドラッグ
記録が不可能な操作を追加したい場合は、レコーディング後に追加したい箇所にアクティビティを挿入する必要があります。
まとめ
レコーディングのベーシックとデスクトップの基本操作についてはこれで終了します。
次は応用編を説明したいと思います。
- 複数のアプリケーションまたは、複数のウィンドウを操作する場合はデスクトップ
- 1つのアプリケーションまたは、1つのウィンドウを操作する場合はベーシック
- レコーディングで不可能な操作は後から挿入する。
以上に気を付けてレコーディング処理を行うことで自動化を楽に進めることが出来ます。
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