スポンサーリンク

UiPathデータ操作編① 複数のデータ操作について

UiPathで扱う複数データの種類

UiPathでは複数データを格納することができる変数がいくつかあります。
今回は以下の3つについて説明したいと思います。

  • Array(配列)
  • List(リスト)
  • Dictionary(ディクショナリ、ハッシュテーブル)

この中で、Array(配列)とList(リスト)はよく似ているため、まずはこの2つの違いから説明したいと思います。

Dictionaryについてのみ知りたい方はこちらを参考にしてください。

スポンサーリンク

ArrayとListについて

ArrayとListは両方とも1つの変数に複数の要素を持つことが出来ます。
どちらも出来ることはほとんど同じですが、Arrayは要素の数を後から増やしたり、減らしたり変更することが出来ませんが、Listは要素の数を後から増やしたり、減らしたり変更することが出来ます。

項目ArrayList
要素の値変更可能変更可能
要素の数変更不可変更可能

Arrayの要素の数をどうしても増やしたり、減らしたり変更したいという場合は一度Listに変換してから要素を変更しもう一度Arrayに戻すという方法があります。こちらの方法はまた別で説明したいと思います。

ArrayとListのデータ操作

ArrayとListのデータ操作について説明します。
まずは、UiPathのMain画面でシーケンスを配置して、変数一覧で以下の2つの変数を作成します。

  • array
  • list

変数の型を設定

Array

Array ofを選択後、要素の型(使用したいデータの型)を選択する。
今回は、String型を選択します。

List

Listは変数の型がデフォルトで表示されていないため、型の参照...
System.Collections.Generic.Listと入力して、表示されているList<T>を選択して要素の型(使用したいデータの型)を選択します。
今回はString型を選択します。

変数の既定値を設定

Array

Arrayでは、既定値を設定する際に必ず{}で囲みます。
今回は`{“value1”, “value2”}と設定します。

List

Listでは、使用する際に必ずNew List(of 変数の型)とListを初期化する必要があります。この文言がないとエラーが起きてしまいます。初期値を設定する場合はfrom{}{}内に記述します。
今回はNew List(of String) From{"value1", "value2"}と設定します。

NewFromは小文字で入力しても大丈夫です。

データの取り出し方

1つのデータ

ArrayとListで1つだけ要素を取り出したいときはarray(n)、list(n) ※nは自然数)で取り出すことが出来ます。

1行を書き込みを配置して実際に要素を取り出し出力画面に表示してみます。
お気に入りにデフォルト設定では表示されています。

画像のようにarray(0)を設定します。要素の順番(インデックス番号)は”0″からスタートするので注意してください。
{"value1", "value2"}ではvalue1が0番目、value2が1番目になります。

それでは実行してみます。

“value1″が表示されました。

もう1つ1行を書き込みを追加してarray(1)を設定して実行してみます。

“value1″と”value2″が表示されました。

今度はarrayからlistに変更して同じように実行してみます。

こちらも”value1″と”value2″が表示されました。

1つのデータの取り出し方はこれで終了します。

複数データ

ArrayとListで複数の要素を取り出したいときは繰り返し(コレクションの各要素)を使用します。
アクティビティ検索欄に「繰り返し」と入力するか
ワークフロー -> コントロール -> 繰り返し(コレクションの各要素)から配置してください。

配置が完了したら、「コレクション」にarrayを入力してください。

次に「本体」内に1行を書き込みを配置し、item.ToStringを設定します。

それでは実行してみます。

“value1″と”value2″が表示されました。listに変更しても同様に表示されます。

データの追加、削除(List)

Listは要素を追加、削除することが可能です。要素の追加はコレクションに追加、削除についてはコレクションから削除を使用します。
アクティビティ検索欄に「コレクション」と入力するか以下から配置してください。

  • プログラミング -> コレクション -> コレクションに追加
  • プログラミング -> コレクション -> コレクションから削除

データの追加

まずは、データ(要素)を追加してみます。
先ほどの繰り返し(コレクションの各要素)の上にコレクションに追加を配置します。

配置が完了したら、プロパティで以下の内容を設定します。

項目設定内容
TypeArgumentString
コレクションlist
項目“value3”

繰り返し(コレクションの各要素)の「コレクション」がlistになっているか確認してください。

それでは実行してみます。

コレクションに追加で設定した”value3″が表示されました。

データの削除

次はデータ(要素)を削除してみます。
先ほどのコレクションに追加を削除して、コレクションから削除を配置します。

配置が完了したら、プロパティで以下の内容を設定します。

項目設定内容
TypeArgumentString
コレクションlist
項目“value2”

それでは実行してみます。

コレクションから削除で設定した”value2″が表示されなくなりました。
これでArrayとListのデータ操作は終了します。

Dictionaryのデータ操作

Dictionaryのデータ操作について説明する前に、Dictionaryとはどういう変数の型か説明します

Dictionaryとは

C#、VB.netではハッシュテーブルと呼ばれていて、引数を使用して、複数の値を格納することができる変数の型です。
具体的に説明すると、ArrayListArray(n)、List(n) ※nは自然数のようにインデックス番号で要素(値)を指定しますが、DictonaryはDictonary("key")のようにインデックス番号の代わりにキーを用いて、値を指定することが出来ます。

それでは実際に作成しながら、Dictonaryのデータ操作について説明します。
まずは、UiPathのMain画面で先ほどのシーケンスを削除し、新たにシーケンスを配置して、変数一覧でdictionaryという変数を作成します。

変数の型を設定

Dictionaryは変数の型がデフォルトで表示されていないため、型の参照...
System.Collections.Generic.Dictionaryと入力して、表示されているDictionary<Tkey,TValue>を選択して、キー(Key)と値(Value)の型を選択します。
よく使用されている変数の型はキー(Key)と値(Value)どちらもString型です。
今回はどちらもString型を選択します。

変数の既定値を設定

Dictionaryでは使用する際に必ずNew Dictionary(of 変数の型, 変数の型)とDictionaryを初期化する必要があります。既定値を設定する際は、New Dictionary(of 変数の型, 変数の型) From{{キー},{値}}と記述します。

今回はNew Dictionary(of String, String) From{{"key1", "value1"},{"key2", "value2"}}と設定します。

変数一覧でdictionaryを選択し、プロパティで「default」の右側にある...をクリックすると以下の画像のような「式エディター」が表示されるので、入力文字が多くなる場合はこちらを利用すると見やすいと思います。

データの取り出し方

1つのデータ

Dictionaryで1つだけ値を取り出したいときは、dictionary("key")で取り出すことができます。
1行を書き込みを配置して実際に値を取り出し出力画面に表示してみます。

画像のようにdictionary.item("key1")と入力します。
既定値に{{"key1","value1"},{"key2", "value2"}}と設定しているので、”key1″と指定をすると”value1″と表示されるのが正しいです。

それでは実行してみます。

“value1″が表示されました。

“key2″と指定すると”value2″が表示されます。
1つのデータの取り出し方はこれで終了します。

複数データ

Dictionaryで複数のデータを取り出したいときも繰り返し(コレクションの各要素)を使用します。
まず、繰り返し(コレクションの各要素)を配置してください。

配置が完了したら、「コレクション」にdictionary.Keysと入力し、プロパティの「TypeArugment」をString型に変更します。

次に「本体」内に1行を書き込みを配置し、item + "," + dictionary(item)と入力してください。

それでは実行してみます。

このように「コレクション」にdictionary.Keysと入力しているためitemにはキーが格納されています。そのためdictionary(item)は1つのデータを取り出すときに入力したdictionary.item("key1")と同じことをしています。

キーを表示したいときはitem、値を表示したいときはdictionary(item)と入力します。
複数データの取り出し方はこれで終了します。

データの追加、削除

Dictionaryはキーと値の追加は簡単にできますが、標準のパッケージではキーと値の両方を削除することができません。値のみを削除、または変更することは可能です。
キーと値の両方を削除したい場合は画面上部のパッケージを管理([Ctrl + P]) -> すべてのパッケージを選択して、検索欄にMicrosoft.Activities.Extensionsと入力し、表示されたパッケージをインストール、保存を行ってください。

データの追加

まずは、データを追加してみます。
先ほどの繰り返し(コレクションの各要素)の上に代入を配置します。
お気に入りにデフォルト設定では表示されています。

配置が完了したら、代入に追加したいキーを左辺に、追加したい値をを右辺に入力してください。
今回はdictionary("key3") = "value3"となるように入力します。

それでは実行してみます。

代入に設定した”key3″と”value3″が表示されました。

また、先ほどインストールしたパッケージを使用したデータの追加も可能です。
データの追加にはAdd To Dictionaryを使用します。
配置した代入を削除し、アクティビティ検索欄に「Add To Dictionary」と入力するか
Microsoft -> Activities -> Extensions -> Statements -> Add To Dictionaryから配置してください。

配置すると、型の選択画面が表示されるので、「Tkey」、「TValue」どちらもStringを選択してOKを押してください。

配置が完了したら、Add To Dictionaryの各項目に以下の内容で設定してください。

項目設定内容
Dictionarydictionary
Key“key3”
Value“value3”

それでは実行してみます。

Add To Dictionaryに設定した”key3″と”value3″が表示されました。

データの削除

次はデータを削除してみます。
キーと値の両方を削除する場合は先ほどインストールしたパッケージを使用します。
データの削除にはRemove From Dictionaryを使用します。
配置したAdd To Dictionaryを削除し、アクティビティ検索欄に「Remove From Dictionary」と入力するか
Microsoft -> Activities -> Extensions -> Statements -> Remove From Dictionaryから配置してください。

こちらも配置すると、型の選択画面が表示されるので、「Tkey」、「TValue」どちらもStringを選択してOKを押してください。

配置が完了したら、Remove From Dictionaryの各項目に以下の内容で設定してください。

項目設定内容備考
Dictionarydictionary
Key“key1”
Result削除に成功したらTrue、失敗したらFalseが設定内容に入力した変数に格納されます。

それでは実行してみます。

Remove From Dictionaryに設定した”key1″が表示されなくなりました。

また、全て削除したい場合はClear Dictionaryを使用します。
先ほど配置したRemove From Dictionaryを削除し、アクティビティ検索欄に「Clear Dictionary」と入力するか
Microsoft -> Activities -> Extensions -> Statements -> Clear Dictionaryから配置してください。

こちらも配置すると、型の選択画面が表示されるので、「Tkey」、「TValue」どちらもStringを選択してOKを押してください。

配置が完了したら、「Dictionary」にdictionaryと入力します。

それでは実行してみます。

全て削除され、何も表示されなくなりました。
これでDictonaryのデータ操作を終了します。

最後に

Array(配列)、List(リスト)、Dictonary(ディクショナリ、ハッシュテーブル)3つの複数のデータ操作について説明しました。
Array(配列)やList(リスト)はよく使用するためデータの操作方法については覚えておきましょう。

次は文字列操作について説明したいと思います。

次回 UiPathデータ操作編② 文字列操作方法

コメント